近代都市が成立し、封建的な束縛から解放されて、個人の自由が確立したとき、土地の絶対所有権が認められ、建築もまた自由の権利を主張しました。
これが建築の自由(Baufreiheit)です。
しかし、個別の建築の自由に限界があることは当然でした。
そこでこれに対して警察権により一定の制限を課することになります。
これが建築法による制限です。
大木一雄さんによれば、この系統に属する地域地区制は環境悪化の最悪事態を回避することはできましたが、一方において都市における建築物をきわめて歪んだものにしたのです。
今日、すぐれた建築家によって設計される建築物の多くも、与えられた個別敷地と建主の私的要求と地域地区制による制限の枠内で設計されているに過ぎないのです。