西ドイツのある研究者は、かつて、次のように言っていました。
「10数年前、次の有力な先端技術の候補として原子力とICが挙げられていました。
そこでわが国は、ICよりは原子力の方が重要であると判断を下して、原子力に大いに力を入れることになりました。
それが間違いのもとだった」
・・・西ドイツは、ブランスと違って、派手さはなく堅実をモットーとする国です。
それに、技術開発における政府の役割は、アメリカやほかのヨーロッパ諸国と比べて小さいのです。
西ドイツは民間中心の技術開発の国です。
その民間企業が、堅実であるばかりか、保守的な傾向すら見られるのが問題です。
先端技術といえば、たちまちフィーバーしてしまう日本とは大違いです。
保守的になる一因として、西ドイツが伝統的に強いのは機械技術である点が挙げられるでしょう。
機械技術は成熟しており、急速な発展は望み得ず、逆にすこぶる堅固であることが良しとされます。
その堅固な機械を支えているのがマイスターです。